Sweet Heart
 


「きっ、きぃ兄ちゃん!?」


「てめぇ!まだ真智にまとわりついていやがったのか!」


「べっ、別にまとわりついてたわけじゃないですって!」



きぃ兄ちゃんに胸ぐらを掴まれながら必死に抵抗する武蔵。


いつ殴られるかわからない状況に、私はハラハラしながらきぃ兄ちゃんの暴走を止めようとした。



「もうその辺にしろ、喜一。」


「ぬぉっ!花ちゃん!?」



その時、花井先生がきぃ兄ちゃんの腕を掴み、殴りかかろうとするのを止めた。



えっ!花井先生、何できぃ兄ちゃんの名前を知ってるの!? 



「ったく。その喧嘩っ早い性格は直ってないんだな。」


「うるせぇ!花ちゃんには関係ねぇだろ!」


「バーカ。元教え子が今の教え子を殴ろうとしていて黙って見てられるか。」


「元教え子ってことは…花井先生ってきぃ兄ちゃんの担任の先生だったの!?」 


私が驚きながら聞くと、花井先生は「あぁ。」とはっきり頷いた。



まさかきぃ兄ちゃんも花井先生の生徒だったなんて…


兄妹揃って花井先生には迷惑かけまくりだなぁ…。





< 115 / 179 >

この作品をシェア

pagetop