Sweet Heart
「きっ、きぃ兄ちゃん!?」
「てめぇ!まだ真智にまとわりついていやがったのか!」
「べっ、別にまとわりついてたわけじゃないですって!」
きぃ兄ちゃんに胸ぐらを掴まれながら必死に抵抗する武蔵。
いつ殴られるかわからない状況に、私はハラハラしながらきぃ兄ちゃんの暴走を止めようとした。
「もうその辺にしろ、喜一。」
「ぬぉっ!花ちゃん!?」
その時、花井先生がきぃ兄ちゃんの腕を掴み、殴りかかろうとするのを止めた。
えっ!花井先生、何できぃ兄ちゃんの名前を知ってるの!?
「ったく。その喧嘩っ早い性格は直ってないんだな。」
「うるせぇ!花ちゃんには関係ねぇだろ!」
「バーカ。元教え子が今の教え子を殴ろうとしていて黙って見てられるか。」
「元教え子ってことは…花井先生ってきぃ兄ちゃんの担任の先生だったの!?」
私が驚きながら聞くと、花井先生は「あぁ。」とはっきり頷いた。
まさかきぃ兄ちゃんも花井先生の生徒だったなんて…
兄妹揃って花井先生には迷惑かけまくりだなぁ…。