Sweet Heart
「だいたいね!誰のために真智とベストカップルコンテストへ出るように仕向けたと思ってるのよ!」
「武蔵が真智をす…「だぁぁぁー!」
次第に武蔵は、みんなから逆に責められるハメになり、教室の壁へと追いやられていた
私は何だか怖くてその中に入ることはできなかったが、亜沙美と流唯が「武蔵に任せな」と言ったので黙って見守ることにした
それにしても武蔵…何をそんなに慌ててるんだろう?
何かまずいことでも言われてるのかな…?
そんなことを思っている間に事は終わり、みんなは武蔵の周りから離れ
武蔵を見ると魂が抜けたような顔でその場に座り込んでいた
いっ、一体何があったの!?
…考えるだけでも恐ろしい
「とにかく、榎本さん。武蔵か五十嵐君、どちらと出場をするか決めてください」
「うっ……」
武蔵が戦闘不能になった今、窮地に追い込まれた私
どうしよう…私、どっちを選べば……
「真智と武蔵で良いじゃねぇか」
「……葵君」
すると、今まで黙って様子を見ているだけだった葵君が口を開いた
その瞬間、みんなの視線が葵君へと移る
「こういった行事に参加するのは面倒だし、真智と武蔵の方が付き合い長いから2人で出れば良いだろ」
淡々と話を続ける葵君の意見に、みんなも納得しているみたいで反論をしない
でも私は葵君の言葉が胸に重く、そして鋭く突き刺さって苦しかった
そうだよ…葵君にとっては面倒なことだもん
何も嫌がる葵君を無理やり出さなくても良い
「私…武蔵とベストカップルコンテストに出場する」
「えぇ!俺!?」
「………」
結局、私は武蔵とベストカップルコンテストに出場することを決めた