Sweet Heart
…今日、家に帰ってから堀川グループのご子息と食事に行かないといけないから準備しなきゃ…
でも堀川グループのご子息、立派な30過ぎのおっさんなくせに、いつまでも親に甘えてばっかで気持ち悪いのよね
はぁ…何だか毎日好きでもない人に笑顔を振りまくのって疲れるわ
そんなことを考えていると━…
━グラッ…
「へっ…」
なんと階段を踏み外し、バランスを崩した私はそのまま階段から落ちていた
後ろから私を呼ぶ複数の声が聞こえる
景色もスローモーションがかかったかのようにゆっくりと流れていた
それなのに妙に冷静な私…
さすがに階段から落ちただけじゃ死なないし、
こんな面白くもない毎日を過ごすくらいなら、1ヵ月くらい気を失ってるのも良いかも…
そう思い、後からくるであろう地面に打ちつけられるような痛みを待っていた
━ドンッ!
「いたたた…ってあまり痛くない…」
不思議とそんなに痛みを感じず、手足を見てみるがかすり傷ひとつ見当たらない
私、本当に階段から落ちた?
あっ、でも上でみんなが顔を真っ青にして私を見てるし…落ちたに違いないのよね
一瞬夢かと思って頬を抓るが普通に痛くて、何で痛さを感じなかったのか考えていた
その時、私の下から何かがモソモソと動く
「えっ?何?地震!?……って、キャー!」
そして私はなぜか下から何かに吹き飛ばされた