Sweet Heart
 


えー……っと?
これは一体どういうことなのでしょうか?



「おらっ!ボーとしてないで行くぞ!」


「いやいや…その前にこれはどういうことなのか説明しなさいよ」



私はついていかない頭を必死にフル回転させようとしたが、やはり理解ができない


そんな私を見た榎本喜一は呆れ、ため息を吐いてこう言った



「こいつらは俺が作った族"黒虎"のメンバーで、その総長が俺なんだよ」 


「なるほどね…」



つまり、今目の前にいる総勢30人はいそうな柄の悪い男達は黒虎っていう暴走族のメンバーで

榎本喜一がその黒虎の創設者であり、総長っていうわけらしい…


って、何ですとー!?



「じゃあ、出発すんぞー!」


《おぉっ!》



衝撃のあまり口を餌をねだる鯉のようにパクパクさせている私に構わず、

榎本喜一は私をバイクに乗せてそのまま黒虎のメンバーの先頭に立ってバイクを走らせた




「あんたっていう人間が更にわからなくなったわ…」


「そうかぁ?俺はお前みたいな金持ちの方が理解できねー」



とうとう驚きを通り越して開き直った私は現実を受け止め、榎本喜一に呆れたように言い放つ



まぁ、お互い住む世界が全く違うから理解できなくて当たり前でしょう



そうやって私は自分に言い聞かせるしかなかった…





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