Sweet Heart
 


「まぁ、どちらの気持ちもわからないこともないけど、2人が気まずいままだと私達も楽しくないのよ…」


「…うん。ごめんね」



私が亜沙美の気持ちを聞いて申し訳なく思って謝ると、亜沙美は「謝らなくていいよ」と優しく言ってくれた



「こうなったら私も一緒についてあげるから今から葵君に言いに行こう!」


「えっ、ちょっと…」



亜沙美はそう言うと、私の腕を引っ張り、立ち上がった



ちょっと待って!亜沙美も一緒に行ったら葵君は…



「だめだよ、亜沙美」


「流唯…」



すると私の気持ちを察してか、流唯がタイミング良く亜沙美を止めてくれた



「真智の話を聞いて思ったんだけど、葵は他人が間に入ることは嫌なんじゃないかな?」


「…でも」


「亜沙美が放って置けないのもわかるけど、亜沙美が行くと余計ややこしいことになると思う」



葵君のことをよく理解しているのか、流唯はきぃ兄ちゃんと蘭さんの間に私が関わることを嫌うように

私と葵君の間に亜沙美が入ったら絶対に良く思わないはず



流唯が葵君と仲良くなったのも最近のことだけど、流唯の人間観察の凄さには驚かされるな…



亜沙美は流唯の言葉に反論できず、素直に頷いて私の腕を放してくれた



そんな中、クラスの子が何やら不満気に話す声が聞こえてきた…




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