Sweet Heart
 


「今日も五十嵐ってサボりかよー!」


「あいつが文化祭の準備に来た日なんかないよな!」



どうやら不満の原因は葵君らしい


葵君は文化祭の準備に一度も顔を出していなかった


そのため部活やバイトがあるのに時間を惜しんで来ている子達が葵君に対して怒っている



「だけど、五十嵐ってさ何か近寄りがたい感じしない?」


「うん…。目つき怖いし、流唯や武蔵が居なかったら1人じゃ話しかけられねぇ」


「何でも不良校の生徒をボコボコにしたらしいぜ…」



次々と出てくる葵君のマイナスイメージな部分


学校での葵君は流唯や武蔵、亜沙美以外の子達とは関わろうとせず、冷たい態度をとっている


見た目も目つきが悪いせいか更にみんなは葵君に対して恐がっていた



私も初めて会った時は恐いと思ってしまったけど…本当はただ不器用なだけで優しい人だって今はそう思う



私は本当の葵君を理解せず勝手なことを言うクラスの子達が許せず、立ち上がる


すると、目の前にスッと腕がのびて私の動きを制止させた




「俺の前でダチの悪口を言ってんじゃねーよ」



私の前に立って、クラスの子達に反論したのは武蔵だった…




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