Sweet Heart
それにしても…
この男の子…どこかで見たことあるような…。
「あっ!ヒーローマンだ!」
「ヒーローマン…?あぁっ!目つきの悪いヒーローマン(偽)だ!」
「…偽って何だよ。」
私の言葉に楽ちゃんが苦笑する。
ここちゃんに言われて、私もやっと気づいた…。
今朝不良達から助けてくれた、目つきの悪いヒーローマン(偽)だ!
「ヒーローマン(偽)?」
「気にすんな。こっちの話。」
「も~!また葵ってばパパに冷たくする~!」
「うぜぇ!キモい!死ね!」
五十嵐さんに質問されたヒーローマン(偽)は愛想なく答えるが、五十嵐さんはヒーローマン(偽)のあまりの冷たさに泣きつく。
しかし、ヒーローマン(偽)はうざったそうに五十嵐さんを足蹴りした。
…何か楽ちゃんとお父さんみたい。
五十嵐さん可哀想…。
と思いながら私は苦笑した。
「まぁまぁ!葵君も努をいじめるのもそこまでにして、席に座りなさい。」
「はい。」
「真智は葵君の横に座って。」
「うん!」
ようやくお父さんが止めに入り、ヒーローマン(偽)を座らせる。
そして私はお父さんに言われた通り、ヒーローマン(偽)の隣に座った。