Sweet Heart
「今から大事な話をするから、楽と心もよく聞くように。」
「「うん。」」
楽ちゃんとここちゃんを近くに座らせると、お父さんの表情は真剣な表情に変わった。
何だろ?お父さんがこんなに真剣な顔するなんて珍しい…。
気がつけばお父さんの隣に座っている五十嵐さんも同じように真剣な顔をしていた。
ちなみに怪しい男の人、香山さんは相変わらずサングラスをかけたままの怖い表情。
まぁ、きっと香山さんは元からこんな表情の人なんだろうけど…。
「真智…。」
「んっ?」
「葵…。」
「何だよ。」
お父さんと五十嵐さんがそれぞれ自分の子供の名前を呼び、返事をした。
そして…
「「君達は今日から許嫁だ!」」
「「いっ、許嫁~!?」」
満面の笑みで信じられない言葉を口にするお父さんと五十嵐さん。
私とヒーローマン(偽)は声を揃えて大声で叫んだ。
「がっくん!"い~なずけ"ってなぁに?」
「…まぁ、簡単に言ったら結婚をする相手のことかな。」
「え~!?まちちゃん、ヒーローマンとけっこんするの~!?」
楽ちゃんがここちゃんにもわかるような言葉で説明すると、
ここちゃんは嬉しそうに笑って拍手をした。