Sweet Heart
そうだよ…真智のために仲良くなったんだ
全ては真智のために…
「葵は真智が大切なんだね」
「………」
「真智に悲しい思いをさせたくないんだよね」
それでも流唯はいつものように自然と俺に話しかけ続ける
だけどその言葉の1つ1つにトゲトゲしさを感じ、俺は眉間に皺を寄せて睨みつけた
何だよ…何が言いたいんだ、流唯の奴…
「でも今、真智を悲しませてる奴が居るんだよね…。誰だかわかる?」
「………」
「真智を悲しませてるのは、葵。君だよ」
流唯の顔から先ほどまで見せていた笑顔が消え、冷たい無表情に変わる
俺は意味がわからず、ただ黙っていた
…はぁ?俺が真智を悲しませてる?
そんなわけがない…だって俺はいつだって真智のためを思って行動してたんだ
俺が真智を悲しませてるなんてあり得ない
「その様子じゃ、自分が真智を傷つけてるのも気づいてないね」
「…俺は真智を傷つけても悲しませてもいない」
黙ったままの俺を見て、俺が何もわかっていないと言う流唯
さすがにこれ以上流唯に好き勝手言われたままではいられず言い返した
「じゃあ、何で真智はあんなにも悲しそうな顔をしてるの?
真智のために思った行動は本当に真智のためなのかを考えなよ」
すると流唯は俺の胸ぐらを掴んで睨みながら言った
いつも穏和な流唯が俺の胸ぐらを掴むといった荒々しい行動をしたことに驚き、掴まれた手はすぐ放された