Sweet Heart
 


真智のために思って行動したことは本当に真智のためなのか…って


そうじゃなかったら俺は真智を傷つけてたっていうのかよ…



「文化祭の準備に参加しないのは別に良いけど、真智のことを思うならちゃんと考えなよ。じゃあね」


「ちょっ、流唯!?」



流唯は言いたいことを言い終えたのか、最後に俺にそう言うと、ドアに向かって歩き出した


そんな流唯の行動にどうしたら良いかわからず、武蔵はあたふたする


そして



「葵!俺はお前が俺達と仲良くしたくなくても、俺はお前をダチだと思ってるからな!あと準備も参加しろよ!」



武蔵は俺に向かって指を指して何かの宣戦布告みたいに言って流唯の後を追った



バタンと閉まる扉を見つめ、俺は深いため息を吐いて頭を掻く



「どいつもこいつも…一体何だって言うんだよ…」



















「流唯!お前、言いすぎだぞ!」



ようやく先を歩く流唯に追いついた武蔵は流唯の肩を掴んで足を止めさせた



「言いすぎも何も俺は本当のことしか言ってないよ?」


「だからってな…あんなにきつく言わなくても…」



武蔵は困ったような顔を浮かべて流唯に注意する 


しかし流唯は珍しく拗ねているのか唇を尖らせて言った



「だって俺達だけ友達だと思われていないの…ムカつくんだよ」


「…流唯」



流唯の言葉に何を思ったのか武蔵はそれ以上流唯を責めることはしなかった



「でも、これで葵も少しは気づけたと思う。俺達や真智の気持ちが…」


「…あぁ。だと良いな」



怒っていた表情を一変させて、小さく微笑む流唯に、武蔵も同じく頷く




結局、葵が教室に来て文化祭の準備を手伝うことはなかった…




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