Sweet Heart
━その頃…
「あー…わかった。悪かったな。真智達のこと、よろしく頼む」
━ガチャ…
「真智と蘭、俺の家に居るらしい」
「そうですか…」
家に取り残された喜一さんと俺は2人揃ってため息を吐く
真智と蘭が家を飛び出した後、俺と喜一さんは帰って来るのをしばらく待っていたが
真智と蘭は雨が降り出しても帰って来なかった
さすがに心配になった俺と喜一さんが、探しに行こうとしたところ
タイミング良く、真智の弟の楽から真智と蘭について俺の家に連絡をしてくれた
おかげで今、喜一さんと2人きりになっている
まるでゴリラの檻に閉じ込められた気分だ…
「真智は帰る気はないらしいし、蘭は家に泊まるんだとよ」
「…念のため聞きますが喜一さんはどうするんですか?」
「……えっ?ここに泊まるつもりだけど」
真智と蘭が帰る気がないと知り、一瞬にして嫌な予感がした
そして恐る恐る聞いた結果、俺の嫌な予感は見事に的中…
「いやいや、帰ってくださいよ。何で俺が喜一さんと一緒に居なきゃならないんですか」
「お前、ちょっと待て!この状況で俺を追い出すってどんな神経してんだ!?」
「だって元はといえば喜一さんが蘭と喧嘩したからこうなってるんだろ!自業自得だ!」
そう言って俺は断固として喜一さんが泊まるのを拒否した
しかし…
「真智を泣かしたのは誰だ?」
「……っ」
「お前だって真智を泣かせただろ!お前は俺のことを言える立場じゃない!」
俺は喜一さんに痛いところをつかれ、思わず引いてしまった
