Sweet Heart
 


好きな人がいるから…って、まさか…



「ほら、昨日親父達に言ってただろ?

"結婚する約束をした"って。」



そのまさか…。



葵君は私が昔にある男の子と結婚する約束をしたと言ってたことを覚えてくれてたんだ…。



「…で、改めて聞くけど、本当に良いのか?」


「えっ?」


「俺の婚約することになっても。」



"まちがおよめさんになる!"


"ほっ…ほんと?"



顔も名前も知らない男の子とそんな約束をした…。



彼は私のことを忘れているかもしれない。



それでも、私は彼を忘れることができない…。



だから…



「やっぱり婚約できない。」



私ははっきりと葵君に向かって答えた。



「そっか。わかった。」


「えっ?」



葵君は怒りもせず、優しく笑ってくれた。



「本気なんだろ?俺と無理に結婚することないって。」


「でも、そんなの無理じゃ…。」



そうだよ!葵君は簡単に結婚しなくて良いって言うけど


あの父親達がわかってくれるとは思えない。



「大丈夫。それは俺が何とかする。親父達もいつかは飽きてくるだろ。」


「でも…やっぱり…」



私は自信なさげに呟くとやっぱり無理だと思い、顔を上げて葵君を見た。




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