Sweet Heart
 


私は葵君が見つけた小型の隠しカメラを見た。



…ほっ、本物だ。



『隠しカメラって何のこと?パパ全然わかんにゃ~い!』


「しらばっくれんな!じゃあ、聞くけど今日の晩飯何食ったかわかるだろ!?」 

『えっ?カレーだろ?』


「やっぱり見てたんじゃねぇか!」


『しまった~!』



結局、五十嵐さんは隠しカメラを通して、私と葵君の行動を見ていたみたい。



葵君は五十嵐さんを怒ると、すぐに隠しカメラを回収させた。



「悪ぃな。あのクソ親父がバカで…。」


「いや…。私のお父さんもあんな感じだから平気だよ。」



私と葵君はろくでもない父親を持ったことにため息を吐いた。



「それで話の続きだけど…。」


「うっ、うん…。」



ようやく話が本題に戻り、私は緊張しながら葵君を見る。



葵君に何言われるんだろう。


ちょっと怖いな…。



そして葵君はゆったりと口を開いた。



「…あんたが他に好きな人がいるから、本当に良いのかなって思った。」



えっ…?


私?



今度は葵君が私に予想外のことを言ったので私が目を丸くした。




< 51 / 179 >

この作品をシェア

pagetop