Sweet Heart
「とにかく姉貴に電話して、明日何とかしてもらう。
今日は仕方ないから、俺がリビングで寝る。」
「えっ!でも、それじゃ葵君が…。」
今度は葵君がリビングに向かおうとしたが、私が行くてを止めた。
そもそも私の部屋が閉められたわけだし…
葵君がリビングで寝たら風邪引いちゃう。
「じゃあ、俺が何しても平気なんだな?」
「へっ?」
…葵君?
何か怒ってる…?
戸惑いと怖いと思う気持ちが入り混じり、葵君から目を逸らしてしまった。
「冗談だよ。何もしねぇし。親父達の策略にハマるのが嫌なだけ。じゃあな。」
「えっ!?」
そして葵君は私の頭に軽く手を置いて、リビングに向かってしまった。
軽くだけど、葵君に触れられた頭が熱くて
私はなぜか動けなくなってしまった…。
「ったく。何で俺がこんなハメになるんだよ。」
真智が完全に寝静まった頃、葵はソファに寝ながら考えた。
俺が…真智の許嫁になるなんて…。
「…これからどうすりゃ良いんだよ。」
星は真智と葵を照らすように輝く…。
そんな同棲生活初日の夜だった…。