不器用上司のアメとムチ
「や、これは別にその……梅チャンにやましい気持ちがあったとかではなく……」
「当たり前だ。あったら今頃お前の命はない」
「ひぃっ!ゴメンなさい〜!!」
その場で膝をつき、土下座の体勢で謝りまくる佐々木。
その姿が哀れすぎて、あたしは佐々木をフォローするべく口を開く。
「久我さん、別にそんなに怒らなくても……あたしの目には久我さんしか見えてないから大丈夫です!!」
参ったか、えっへん。と、胸を張るあたし。
だけど男性陣二人の反応がない。
少しの沈黙の後、先に言葉を発したのは佐々木だった。
「アホくさ……俺先に部屋入ります」
……ちょっと!アホとは何よ!!
久我さんもなんとか言って!と思いながら彼の方を向くと、自分の手で顔のほとんどを覆っていて全く表情が見えない。
でも、あれ……?
耳が、赤く染まっているような……
「久我さん……照れてます?」
「……見るな」
「そうなんだ……ふふ、可愛いです」
「……この野郎、調子に乗るなよ」
「わぁ!」
がばっと抱きつかれて、あたしは久我さんの腕の中。
あたしをここに閉じ込めることで赤い顔を隠したつもりなのかもしれないけど、でも、これって逆効果な気がする……
だって、ぬくもりと共に耳元に感じる鼓動が、驚くほど速い……