NA-MI-DA【金髪文学少年の日常】
古本市













月曜日の夕方、家に帰ると門の前で凪人が本を読んでいた。


「なにしてんだよ」


ややぶっきらぼうに尋ねるナミダに、凪人は何当たり前のこと聞いてんだと変な顔をした。


「本読んでる」


「それは見たら分かる」








凪人の家に、ナミダは入ることが出来ない。


中学の時、ナミダの素行の悪さを聞き及んだ凪人の母親が嫌がったのだ。


凪人と良く似た顔をした、優しげなおばさんに、申し訳なさそうにもう家には来ないで、できれば凪人との付き合いもやめて、とお願いされた時のことは、今でも覚えている。


幼い頃から見知っていた存在だったので、自分はおばさんに敬遠されてるらしいと知った時はショックだった。


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