おいでよ、嘘つきさん。
今までの苦しかった毎日が嘘のように明るくなっていきました。

何か悲しい事があると、ネリネは「明るいミモザが好きだよ。もっと自信をもって」と励まし続けます。

ミモザは「そうね。自信を持とう」と、ネリネの言葉に励まされるのです。

一度、ネリネと夢について話したことがありました。
ミモザは「画家になる」と熱く、ネリネに語りました。ミモザは、ネリネにも聞いたのですが「夢はないかな」とネリネは困った顔で笑いました。
しつこく、ネリネに聞くと「じゃあ、ミモザと一緒にいること」と答えました。
ミモザは嬉しくて笑いましたが、ネリネにも夢を持ってほしいと考えていたのです。

学校が休みの日、二人は川へ出かけました。

少し肌寒い日だったため、ネリネは川では遊ばずにミモザの隣に座りました。
ミモザは真剣に絵を描いています。
ネリネは話しかけたら駄目と思いながらも、声を出しました。
「ミモザは本当に絵が上手…」

ミモザは、描くのをやめネリネに笑顔を向けました。
「ありがとう。画家が夢だからね」

「ミモザなら、きっと叶うよ」

「ねぇ、ネリネ。私とネリネはずっと一緒だよね?」

「もちろん。ミモザと私はずっと一緒だよ」

「だったら、ネリネの夢は叶ってるよ。他には、ないの?」

「ミモザと一緒なら、それで良いの」

「ネリネは髪を切るの上手だし、美容師は?」

「…、ミモザは私と一緒が嫌なの?」


ミモザは慌てて「違う」と言いましたが、ネリネは少し寂しそうな笑顔で「ごめん」と呟きました。

その後は、何だか雰囲気が悪かったので帰ることにしました。
ミモザは「ネリネを傷つけちゃった」と悲しくなりました。

部屋で二人は静かでした。
すると、沈黙をやぶるようにネリネが笑顔で言いました。
「へへ。ごめんね、ミモザ。私、美容師を目指してみる!夢にする!」

ミモザは心が晴れ渡りました。そして、満面の笑みで答えました。
「うん!きっと叶うよ!それから、私たちは、ずっと一緒だよ!」

ネリネも嬉しそうに笑っています。
二人のお決まり「二人で一つ」を言い合いました。
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