おいでよ、嘘つきさん。

その目は、トリトマを脅すかのようにじりじりと寄ってきます。


トリトマは、家の扉を閉め怒鳴ります。



「近づくなって言ってるだろ!離れろ!!」



トリトマの悲鳴。

町の男達は怒鳴ります。


「うるさい!サフィニアを見せろ!!」


トリトマも怒鳴り返します。


「何で、お前らに見せないといけない!?」


すると、怒りに満ちた瞳で男が怒鳴りました。


「死んだか調べるんだよ!!」


女達は、うろたえ脅えた様子。

トリトマは歯を食いしばり、敵意に満ちた瞳で男を睨みつけます。


「お前が調べる!?意味が分からねぇ!!俺の兄貴に触るんじゃねぇよ!!」


「黙れ!トリトマ、お前、最近おかしいぞ。おとなしく従え。」


「ふざけんな!おかしいのはお前だろ!?何で、俺がお前に従わねぇと駄目なんだよ!」


男は、殺気立ち怒鳴ります。


「俺じゃない!町に従えって言ってんだよ!!」



トリトマは、固まります。

この町の異常さを確信し、今まさに、自分がその異常な悪習の餌食になろうとしてると肌で感じたからです。


町の男達の目。


それは、殺気立った危険なもの。

トリトマの心臓は大きな音を立て動きだします。


「町に従え!?何の話しだよ!?」


トリトマの精一杯の口答えです。


町の男達は、静かに言います。


「とぼけるな。トリトマ、裏切るつもりか?早く、サフィニアを差し出せ。」


トリトマの額に汗がにじみます。


「言ってるだろ?嫌だってな。」


このトリトマの発言に、一人の男が怒鳴りました。
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