おいでよ、嘘つきさん。
「トリトマ!お前が、サフィニアを殺したな!!犯罪者め!!」
男は、トリトマに怒鳴りました。
町中が凍りつき、静まり返ります。
男達は、トリトマを睨みつけ今にも飛び掛かってきそうな雰囲気。
トリトマは、苦痛の表情です。
「くそっ!1番、厄介なパターンだ…!!」
トリトマは思います。
きっと何か町の人々は、言い掛かりをつけてくると考えていましたが、その中でも最悪な言い掛かりを叫ばれたのです。
男は、更に怒鳴ります。
「トリトマ、殺したんだろ!?だから、俺らに見せたくないんだ!」
「違う!俺は殺してない!」
「だったら、サフィニアを見せろ!!」
「嫌だ!お前らみたいな奴らに、近づかせたくない!」
「トリトマァ!!お前は、殺人者だ!兄殺しの殺人者だ!!」
「違う!違う!!俺は殺してない!兄貴は自殺したんだ!!遺言だってある!」
「遺言だぁ!?そんな物、トリトマが書いたんだろ!?罪から逃げるな!!」
「俺は殺してない!信じてくれ!!」
町中の人々が、トリトマを睨みます。
女達は、うろたえながらトリトマを見つめ震えています。
トリトマの悲痛な叫び、青ざめた表情、その全てが痛々しく女達は目を当てられないのです。
しかし、男達は違いました。
そんなトリトマを軽蔑し、怒りに震えるのです。
「トリトマ、見苦しいぞ!さっさと認めろ!サフィニアを殺したとな!殺してないなら、サフィニアを差し出せ!!!」
トリトマは、目を大きく開き唇を噛み締め、ただ睨みつけることしかできません。
「兄貴を、狂った町の奴らになんか渡したくない!!渡したら何をされるか分からない!!」
混乱しながらも、トリトマは必死で考えます。
この状況を切り抜ける、何かを。