おいでよ、嘘つきさん。
「なんで来ないのよ!?」

控え室にメリアの怒鳴り声が響きます。


もう、パーティーはとっくに終わっています。

なのに、アルストロはいっこうに現れないのです。


「どういう事!?私の誘いを無視したというの!?」


メリアは頭を抱えます。

そして、ガタガタと怒りで体が震えます。


「こんな屈辱は初めてよ!」


メリアの言う通り、過去こんな事はありませんでした。

メリアが妖艶に微笑み誘いをかければ、どんな男でもふらふらとのってきたのです。


しかし、アルストロは違いました。


誰よりもふらふらしているのに、メリアの誘いには乗らなかったのです。


「絶対に許さない!!」


メリアは立ち上がります。


「必ず、振り向かせてやるわ!!」


手に入らないモノほど、欲しいモノはありません。

特にメリアは、その欲求が強いのです。

大きな瞳をギラギラと輝かせ、メリアは誓いました。
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