おいでよ、嘘つきさん。
アザミが叫ぼうとした時、御夫妻のご主人が怒鳴りました。
「やめないか!女性や子供に暴力など!」

アザミが慌てて、ご主人に言います。
「すみません、すぐに追い出しますから」

アザミは、怖かったのです。
オリーブの夢が壊れると感じていたからです。

しかし、無情にも男は怒鳴りました。
「俺が買った奴隷を盗んだ女だ!悪いのは、こいつらだろ!」

アザミは、ついに力が抜けてしまいました。
御夫妻も戸惑った表情です。
男は、力まかせにオリーブの腕を引っ張り連れていこうとしました。
アザミは、混乱した頭で必死に叫びました。
「奴隷の何が悪いのよ!」

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