おいでよ、嘘つきさん。

運命

翌朝、御夫妻がやってきました。

アザミは、笑顔で迎え入れました。
オリーブも、笑顔です。

アザミは言いました。
「昨日は、見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした」

アザミは、そう言い御夫妻に椅子に座ってもらいました。
アザミとオリーブも椅子に座ります。
ご主人が言いました。
「正直、とても驚きました。でも、貴女達を見て考えが変わったのですよ!貴女達二人は綺麗な心を持っていると分かりました」

アザミは、首を横に振ります。
「そんな大層なもの、持っていません。特に私は。ただ、オリーブの夢を叶えてあげたかっただけです」

奥様が聞きました。
「学校の先生、ですね。オリーブ君が昨日書いてみせてくれましたね」

アザミは頷きました。
「オリーブは頭が良いんです。学校に通い、ちゃんとした勉強をさせてあげたい。そうすれば、きっとオリーブの夢が叶うはずです」

奥様は笑顔で言いました。
「オリーブ君の字を見たら分かります。綺麗な字でしたわ。夢は叶いますよ」

アザミは笑顔になりました。御夫妻がオリーブを認めてくれた事が分かったからです。

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