おいでよ、嘘つきさん。
この事件以降、プルメリアを悪く言う人はいなくなります。


しかし、大きな代償でした。

母親を亡くしたプルメリアは、泣きつづけるのです。

「死神の馬鹿!二度と現れるな!」


その言葉は、真実味を帯びており誰も何も言えません。

そして、プルメリアという存在を特別視するようになります。

それは、二通り。

特別な力を持った可哀相な子供。


特別な力を持った厄介な子供。


どちらにしても、プルメリアに近づきたくないという思いが込められたモノです。


プルメリアは泣いてばかりいる理由は、母親の死だけではありませんでした。


大好きなアスターが、火事により大怪我を負ったのです。

医者は「体力が無くなれば命の危険もある」と、恐ろしい事を言います。


プルメリアは毎日、毎日、アスターに話しかけ意識が戻るよう必死でした。


「アスターには、死神が見えないよ。だから、大丈夫」


プルメリアは、ずっと言い続けます。


父親は、そんなプルメリアを正直気持ち悪く感じていたのです。

「こいつが悪の元凶だ」

父親は、プルメリアの顔を見ても何も声をかけなくなりました。

それほど、プルメリアを恐れ嫌がっていたのです。
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