狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「桃華も知ってるだろ。あいつが去年暴力沙汰の事件起こして謹慎になったこと」
「それは知ってるけど、それにはきっと何か理由があったんだよ」
「理由なんてあるわけないだろ?弁解の機会を与えられた時も、『イライラしたから殴った』って話してたって噂になってたし。あいつはそういうやつなんだよ」
「愁太……やめてよ。そんな言い方しないで?」
「つーか、最近変だぞ。どうして狼谷の肩を持つようなこと言うんだよ。お前、あんなにあいつのこと嫌ってただろ!?」
愁太が声を荒げた時、狼谷君が教室から出てきた。
あっ……。
その時、一瞬だけ狼谷君と目があった。
だけど狼谷君はすぐに視線をそらして歩き出す。