狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「あ、あたしのことなんてどうでもいいよ~!!狼谷君はいるの?」
笑ってごまかすと、狼谷君はほんの少しだけムッとしているように見えた。
「いるって何がだよ」
「好きな人」
あたしがそう言った時、彼の手があたしの頬に触れた。
温かくて大きな手のひらの熱がじんわりとあたしの胸を熱くさせる。
「いる」
すると、狼谷君はわずかな間の後、真剣な瞳をこちらに向けたまま答えた。
「え……、そうなんだ……」
何だろう……。
分かっていたはずなのに、どうしても胸が痛い。
チクッと痛む程度の痛みじゃなく、ズキズキと痛すぎて、涙が出そうになって慌てて唇を噛んだ。