※公開終了間近! イロモノなアタシ
大事なヒト
連絡が何度か来たけれど、無視する。


辛いけれど、2人に取ってはそれが幸せだから。


「浩さぁーん、お代わりぃー」
「今夜は良く飲むね、もう2本目だよ、ボトル」
「いいの、さ、クミさん飲み明かしましょう」
「いいわよ、付き合うし」


こうして店が終わった後、クミさんと『ZUKA』で飲み明かすのは何度目だろう。


あれから、3週間。


全部忘れるために、無意味な面接を繰り返し、夜の仕事をし……。


ダイエットなんかしてないのに、何だか体が軽い。


周りはそれを恋やつれとか言うけれど、正しく言うなら失恋やつれだ。


「ねえ、シホちゃん」
「何ですか? 」
「あの収録、そんなに嫌だった? 」
「嫌じゃないですよ、平気だし。それに就職活動になんか差し支えてません」


< 185 / 386 >

この作品をシェア

pagetop