オンライン中毒
私の肩に秋人の腕を回し、力任せに引き摺った。背中に筋肉質の硬い胸が当たる。ドキドキしながらも、やっとの事でエレベータに乗せた。


ぐったりしている秋人。大丈夫かな? と顔色を見るが、目線はすぐに下へずれ、胸板を見つめた。シャツの上からでも分かる、筋肉質な体。


――駄目だ。欲しくて仕方がない。


ココからだと北口がホテル街だっけ?


「秋人、一階に着いたよ! もうちょっとだから頑張って!」


「ん……」


筋肉がしっかりついている分、ずっしりと重たい体。これ以上、引っ張っていく自信がなかった。エレベーターの外へ出ると、目の前にはタクシー乗り場があったので、車で運んで貰うことにした。


池袋は常に人で溢れている。それと比例するかのように、タクシー待ちも行列を作り、並んでいる。


「ここから一番近い、ホテルまで。お願いします」
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