オンライン中毒
「ホテルって、ラブが付く方のホテルで良いのか? ひひひひひっ。

それだったら北口に沢山あるから、目に付いたので良いかい?」


「それでお願いします」


運転手はニヤリと下品な微笑みを浮かべた。開いた口の隙間には黄ばんだ歯が覗いている。最近のタクシー運転手は、敬語をまともに使えない人間が多く、いらっとする。


秋人は私の肩に寄り掛かる。アルコール臭い息が掛かり、本当にお酒が弱いんだなぁと納得した。


「朋子さん、弾力があって気持ちい……うーん」


――弾力とは失礼な! 美人でスタイルも良く、クラス1もてた私に、なんてことを……まぁいいか。私のことを好きなのは間違いない。


「着きましたよ。860円」


無言で小銭を渡し、秋人を引っ張り出した。


「ここだったら、ゆっくり寝れるから! 頑張って!」


「うぅ……ん」
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