最後の血肉晩餐
「今日は飲んじゃうよ~明日は休みだし!」


運ばれたスパゲティとピザ。スパゲティの麺をフォークでくるくる回し、俺の口にいれてくれる南。トマトの匂いが鼻腔をつく。


「はい! あ~ん! 美味しい食べ物を沢山食べて元気つけて!」


「どんどん食べて飲んじゃうよ!」


だいぶ酔っ払ってきた。やっと一時期忘れられ、南と向き合えた。


「旅行はどこに行く? グァムとかいいよ。海が綺麗だし。近いしね!」


「私、行ったことない! 連れて行って!」


チワワのような小顔なのに、ピザを沢山頬張り、そう言った。それがまた凄く可愛らしかった。


 「どこでも連れて行っちゃう! 連れてく! 携帯の写メールに海の写真残ってるよ」


携帯を取り出し、賢二と行った時の写メールを見せてあげた。恵美の時のは見せられない。内緒だ。


「こいつは俺の親友。ダブルデートをしたいって言っていたよ! 海の水が綺麗だから、珊瑚が海面から飛び出てしまってるんだ」


透明感がある綺麗な水色の海の写真を見せた。透き通る海には、カラフルな魚もちらほら見えた。


「本当だ! 綺麗……」


南はうっとりしていた。俺はワインを飲みすぎて、頭が多少くらくらしてきたようだ。


「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」
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