最後の血肉晩餐
「仕事のことなんだ。あまり思い出したくない出来事ばかりが起きちゃって」


「ミスしたとか?」


「ううん……そういうのじゃないんだ。食べてる時にとっても言えない話だよ


「そうなんだ……なんだか残念だな。相談にも乗れない彼女なんて……」


「好きな人の気分が悪くなっちゃったら嫌だろう? もう忘れてお酒を飲もう! 楽しい未来の話をしよう。南ちゃん旅行とかは好き? 俺は大好きなんだ」


もう忘れたくてしょうがないから。決して、忘れられない出来事だから……何度も思い出されるのは間違いないんだけど、現実逃避をしたかった。


「旅行? 随分行ってないなぁ~! 行きたい! 行きたい!」


「近場の海外とか行っちゃおうか? 俺が全部だしてあげるよ!」


「嬉しい! どこに行く? ワイン飲んで飲んで!」


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