最後の血肉晩餐
「選べって、私が看護師だから近づいたように?」


涙を拭いてそう言った。


「な……なにを言っているんだよ!」


「やっぱり貴方と私は合わないのよね。貴方はお金の為に私を選択したんでしょう? 気づかないとでも??

今までありがとう。もう帰るわ」


恵美は5千円を叩きつけるかのように置いて、店を飛び出した。


俺は何も言わず、ワインを飲みながら目を閉じ、昔はどうだったかを思い返してみた。


喧嘩ばかりの出来事ばかりが脳みそに何度も何度も、繰り返し蘇る。疲れる思い出にシャットアウトした。
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