最後の血肉晩餐
最後の晩餐
携帯から運命の着信音が流れているのが、かすかに聞こえる……会社からだ。浅い眠りの中でそう呟いた。


会社から!? 出なくては! 


パッと眼を見開き、体を起こし携帯を素早く取り上げた。


「はい、もしもし北川です」


横目で時計を見るともうお昼はとっくに過ぎていた。


「すいません社長……遅刻しちゃいました」


「おい、それどころじゃないぞ!

変な女から、お前のことを愛してるやら、邪魔するなとか、訳が分からない電話が何度もかかってきて困っている。

FAXもパンクだ。どうなっている? やめさせるように言ってもらえないか?

一応その女の番号は着信拒否には設定して落ち着いたが、知り合いなんだろう?」


電話を持っている手が怒りで震えてるのが分かった。
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