最後の血肉晩餐
 苛立ちを悟られないように冷静に話した。


「社長……申し訳ありません。実はストーカー被害に遭っていまして……なんとかします。急ですみませんが、有給休暇を五日ほどもらえませんか?

賢二の件もありますし、俺の周りでおかしな出来事が起こっているのは間違いないようなので。

少しの間、ご迷惑おかけしますがお願い致します」


首を覚悟で休みを要求した。もしそうなっても、新しい仕事を探せばいいだけだ。


今の俺は精神的な余裕が全くない。仕事もまともに、こなせそうもない。会社に迷惑かけるだけだ。


そう自分に言い聞かせた。
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