最後の血肉晩餐
 シスターは釈放され、恵美は拘置所に勾留された。ニュースで騒がれていた事件の数々『テレクラ殺人事件』『遺体が切り取らていた! 残虐事件』『死体に刻まれた文字の謎とは!? 』『水槽にバラバラ死体』『出会い系殺人』……どれもこれも見出しだけで視聴率が取れる、謎の事件ばかりだった。


世間は事件の犯人が1人の女性に全てが結びついたという事実に驚愕し、震撼した。愛憎を取り上げるドラマや、議論番組。ストーカー規制法についても、再度罪を重圧する再訪案なども飛び交った。


なかには恵美に賛同する女性達もいた。好きな男の為に体を張る恵美を、どうも憎めないそうだ。


同時に恵美が勤めていた病院では大パニックを起こしていた。転移を希望する者、医院長に詰め寄る者、病院内でも殺人を行われていたんではとマスコミも殺到した。


ただ恵美に親身に手厚く看護を受けた患者だけは、涙を流し、その真実を受け止めなかった。


このセンセーショナルな事件は、日本中の人々の脳裏に焼きつかせ、愛憎問題を考えさせられた。


――恵美は冷たい独房で膝を抱えている。
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