私は最強ビンボー女!
「は、づき・・・・・・」


私は、声のした方――翼の部屋のドアの方向に、顔を向ける。


翼は、サッと私から離れ、ぐいっと拳で涙を拭い、強制的に泣くのを中断させた。


ドアは、なぜか開いていて、葉月がゆったりと部屋の中の壁に寄りかかっていた。



「なんで・・・・・」


「なんで?愚問だね。僕は青菜の監視役だよ?忘れたの?」


「そ、だけど・・・ここは・・・・・・」


「どこだろうと関係ないよ。青菜を監視するのが僕の任務なんだからさ。」


「だからって・・・・・こんな場面に・・・」


「こんな場面?あぁ、丁度良かったよ。人生相談はやれそうだって判断できたからね。」


「なっ・・・・・・」


「何?僕はその赤髪のことなんて、どうでもいいし。

興味もないから、さっきの話なんてもう覚えてないよ。安心して。」


「ななななな・・・・・・」



葉月は淡々とスラッと言葉を続ける。


「それより、さっさと学校に行こうよ青菜。そんな奴放っておいてさ。」







――――ブチッ。


私の中で、何かが切れる音がした。









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