私は最強ビンボー女!
どこまでも冷たい声で、平坦に言われた。

葵はそれを、飲み込むことしかできなかった。


だって、まだ7歳だったんだ。
小学校に入学したばかりの頃だった。

まだ、親が全てだったんだ。

どうして、抗うことができる?



葵は、7歳で朝霧家に生まれた自分の未来を飲み込んだ。



けど、年々とそこに抗う気持ちが生まれてきた。

当然だ。だって人は成長する。


10歳の頃、葵は反発した。母親に。


『あたしは、自分の未来は自分で決める!人殺しなんかしない!』



母親は、冷ややかに葵を見たという。

まるで、道端に捨てられたゴミを見るみたいに。



『あんたは馬鹿かい?もう、あんたは人を殺したじゃないか。』


『でも!!!もう、これからは殺さないもん!絶対絶対、殺さないんだからっ!!!』



母親は嘲るような笑みを、美しい顔に浮かべた。

その嘲笑は、不思議と葵ではなく、その母親自身に向けたもののように見えた。



『馬鹿だねぇ、本当に。どうして母さんに似ちゃったんだろうねぇ。

あんたを見てると、子供の頃を思い出すよ。』



哀しげな目をしていた。

諦めきった、哀しげな目を。



その時、母親は初めて葵に、本当の・・・朝霧家の社長を務める、1人の女の顔を見せたんだ。




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