【完】隣の家のオオカミさん
頭をぐっと押さえつけられ顔は下に向く。
そんな力は入れてないんだろうけど、けっこう痛い。
その手はすぐに離れて頬へと移動してきた。
指先が軽く触れただけなのにビクッと反応してしまう。
「なんで泣きそうな顔してんだよ」
そう言われて慌てて自分の頬に手をやる。
泣いてなんかない。
泣きそうにもなってないよ。
なに言ってんの……大上くん。
「泣いてないよ?」
「泣いてる」
一瞬すぎてなにが起こったかわからない。
わたしはすっぽりと大上くんの腕の中へと入っていた。
「暑いよ、大上くん……」