【完】隣の家のオオカミさん
なんで?
口から出そうになった言葉をハッと我に返り飲み込む。
わたし、完全に洸汰さんペースに巻き込まれてる。
この前の洸汰さんと感じが全然違う……
いい人だと思ってたのに。
なんでこんなにつっかかってくるの?
「わたし買い物するんで…じゃあ」
ぺこっと頭を下げて早歩きで踏切を渡りきる。
気にしない。
洸汰さんに言われたことなんて気にする必要ない。
「いいねぇ、その顔。……かーわいいね」
わたしの背中に向けられた洸汰さんの独り言は耳に届くことはなかった。