【完】隣の家のオオカミさん

別々の高校に進学した俺たちは忙しさからか連絡を取り合う回数が減っていった。

でも週に一回は電話をするようにはしていた。
美里が心配だったから。


声も明るくなってだんだん笑うようになってきた美里。


俺はなんで見抜けなかったんだろう。
ほんとバカすぎる。



「おまえ自分がしたこと忘れたの? なかったことにしてんじゃねぇよ」



泣き場所があいつにはあった。

俺じゃなくて他の男を頼った。
他の男を選んだ。


しかも、その男が洸汰だったなんてな。
同じ部活ですげー仲良かった先輩。

美里が俺の彼女だということも知っていたはずなのにな。

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