【完】隣の家のオオカミさん
「すげー信じてた奴に裏切られる気持ち、おまえ、分かんの?」
昔のことなんて今さら思い出してどうすんだよ。
過去はもう変えられないだろーが。
「私は誰を頼っていけばいいの…?」
「あの時みたいにまた洸汰に頼ればいいんじゃねぇの」
大事な存在
守りたい人が俺にもできたんだよ。
絶対手放したくない。
誰にも渡したくない。
「私は郁磨がいい。郁磨じゃなきゃダメなの」
腕に触れてこようとするその手を拒否するとへなっと座り込む美里。
俺は目線は向けずにだだ一点をぼーっと見つめる。
ふざけんなよ。
勝手すぎんだろ。