【完】隣の家のオオカミさん

モテ自慢ですか、大上くん。

そんなのよりわたしは美里ちゃんとのことを知りたいんだ。



「美里ちゃんと大上くん──……」


「ごめん。俺、まだお前が好き」



わたしの言葉にかぶせて少し声を大きくして言う大上くん。


手も繋いだまま歩く速度も変わらないまま。

会話のついでに言った感じだ。


……今のは本当に大上くんの口から出た言葉なのかな。

空耳だったりしちゃうのかな。



「もういらないって美里に言われた。解放してあげるって言われた。……俺、なに言わせてんだろうな」



かすれた声がどこからか吹いてきた風にかき消されてしまいそうだ。

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