【完】隣の家のオオカミさん
「姉ちゃんさー、高校生?」
レジの方に戻ろうとしたときエプロンの紐をクイッと引っ張られ、わたしは驚きながらも足を止めた。
「い、いえ……大学一年です」
「あぁ、そうなの。若いねー」
テーブルに座っている四人の男の人たちがじっとわたしを見る。
仕事帰りなのだろう。
みんな同じ作業着を着ている。
二十代後半ぐらいかな。
「すいませーん」
「はい、ただいまお伺いします!」
ペコッと頭を下げその場から離れる。
注文を取ろうとエプロンのポケットに手を入れてみると後ろで結んでいたはずの紐がほどけていたことに今気づいた。