腕枕で眠らせて
チリンチリンと、ドアベルを鳴らして扉を開くと
「いらっしゃいませ」
の優しくて低い声が響いた。
その声の主が、レジカウンターからこちらを見てその顔に驚きを浮かべる。
「…美織さん…」
「き、来ちゃった…」
会いに行くと言った紗和己さんの申し出を断っておきながら、数時間後にこうしてのこのこと【pauze】まで連絡も無しにやって来たんだから驚かれて当然だ。
目をぱちくりしてる紗和己さんの様子に、店内にいた他の従業員らしき子も何事かとこちらを見た。
「オーナー、知り合いですか?」
アルバイトだろうか、高校生ぐらいの従業員の子が二人、私と紗和己さんを見やってそう尋ねた。
「…ええ、鈴原美織さん。うちで扱ってるサンキャッチャーの製作者で…僕のお付き合いしてる方です」
「ええーっ!!?」
紗和己さんの言葉に、従業員の子が二人揃って声を上げた。
店内にいたお客さんが振り返って、慌てて二人口をつぐむ。
紗和己さんがお客さんにペコリと頭を下げてから、従業員の二人に「コラ」と言って口元に人差し指を当てた。