腕枕で眠らせて
翌日、水嶋さんの経営する雑貨店を見せてもらう事になった。
やっぱり作り手としては、自分の作品がどんなお店に置かれるのかは気になる。
私が実際にお店を見てみたいと申し出ると水嶋さんは直ぐに
「じゃあ今から車でお連れしますよ」
と言ってくれたけど、私はそれを丁重に断った。
…男の人と二人きりで車に乗るのが嫌だったから。
「あの、車はいいです。電車で行きますから、明日お伺いしてもいいですか?」
仕事なのにこんなの甘えてると自分でも思う。
けど、水嶋さんは特に理由を聞くことも無く
「では明日、店舗の方へいらして下さい。お待ちしております」
と、ゆったりと微笑んでそう言ってくれた。