腕枕で眠らせて




―――紗和己さんはきっと。


私が楷斗に関わってまた傷付くんじゃないかと心配してくれてるんだと思う。

楷斗の強引なやり方を見て、私がまた嫌な目にあったりしないようにと。



分かってる。心配してくれてる。


でも。



―――私には無理だって…言われたみたいで。



いつまでもメソメソしていた私に、楷斗と新しい関係なんか築けないって。言われたみたいで。



……そうかも知れない。


私、紗和己さんがいなきゃ何も出来ない。

紗和己さんに頼ってばっかりで。

こんな、昔の男の事なんて自分ひとりで何とかするべきなのに。

そんな事さえ紗和己さんに支えてて欲しいと思った甘ったれの私に、あの傷を乗り越えるなんて無理なのかもしれない。




「―――……」


込み上げてきそうな涙を、唇を噛みしめて堪えた。


同じベッドの中。丸めた背中の後ろには紗和己さんがいる。泣いてると思われたくない。



あれから、話を終えてふたりでベッドに入っても、紗和己さんは私を求めては来なかった。


一緒に寝るときはいつも必ずと云うわけでも無いけれど。


でも
ふたりで寝たベッドがこんなに冷たいと感じたのは初めてだ。



ヒヤリとしたシーツの感触が私の心までしめつける。


しめつけて、涙を零れさせた。




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