腕枕で眠らせて
ワケが分からない。
私の頭はさっきのかき混ぜたココア並みにグルグル渦巻いている。パニックだ。
「何してるの!?こんなとこで!」
「説明は後、とりあえず中入れて。俺ずぶ濡れなんだよ。寒くて死ぬ」
そう訴えてきた楷斗は確かに着てるスーツの色が変わる程、べっしょり濡れ鼠の姿でカメラに映ってる。
「ちょっと待ってよ、そんな事言われても!」
「いいから早く。洒落になんないくらいさみーんだから」
言ってからひとつクシャミをした楷斗は、腕で自分を抱きしめながらブルブルと震えてる。
ああ、どうしよう。ワケ分からない。
でも、ずぶ濡れで凍えてるのは確かだし。
ほっといても死にはしないだろうけど、でも、風邪ひいて肺炎ぐらいにはなるかも。
わあ、なんか顔色青くなってきてない?
ああもう、どうしよう。どうしよう。
「マジで頼む。助けて」
……なんて世話の焼けるヤツ!!!
私は廊下を足音をたててバタバタ走ると、玄関の鍵を開けて力任せにドアを開いた。