腕枕で眠らせて
あまり人に会わない生活をしているせいか、ハツラツとしている人を前にちょっと竦んでしまう自分がなさけない。
「ありがとうございます、宜しくお願いします」
当たり障りの無さすぎる挨拶しか返せなくて会話が続かない。
ぎこちなく愛想笑いで誤魔化していると
「鈴原さん。玉城さんが来てくれたんで僕もうお店抜けられますから、よかったらもう一店舗の方をこれから案内しますよ」
水嶋さんがそう言ってポンと肩を叩いた。
一瞬、体に触れられた事に私の中の男性への嫌悪が再び沸いたけれど
目の前の水嶋さんがあまりにもラフで屈託ない姿だからだろうか、すぐに嫌な気持ちは治まった。
けど
「あ…あの、私、車は…」
やっぱりまだ男の人の車に乗るのは嫌。