血染めの鎖

着いた目的地は見るも無惨だった。

崖は崩れ、地にはどろどろとした濁った液体(魔族の体液らしい)。

崖下を覗こうにも、大きな岩のせいで遮られ、近づくことすらままならない。


一体昨夜なにがあったのかと考えていれば、ふと視界にキラリと光るものが見えた。

「?」なんだろうと思い、拾ってみればビックリ。


「これは……、」


目を見開き、思わず手にしたものを握りしめた。


そういえば、先程の村人の会話に違和感を覚えた。

あの違和感は一体……?



「まさか、トルガは……。いや、それ以前にこの村は…。そうか、そういうことか」



ひとり納得し、ひとまず物事を整理しようとリークは村長の家に向かったのだった。

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