そして 君は 恋に落ちた。


定時まであと二時間。


カタカタとPCのキーを叩いていると、携帯のメール受信音が鳴った。

誰…?


休憩のつもりで携帯を開く。
画面を見た瞬間、チラリと目を向けた先には――松田君。

彼は私が見ていることに気づいてるはず。それでも、PC画面から目を離さない。


私は静かに画面を閉じた。



『今日、“美浦の店”で待ってます』


受付の子は……?

そんなの……聞けない。



彼のテリトリーにいつの間にか入り込んで。

気付いたら身動きできないほど、深く。深く……。



―――…返事なんて、決まってる。


君に抱かれたあの日から、
私は溺れたまま。



これが君への“罰”だというなら

溺れて息ができなくてかまわない―――…


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