そして 君は 恋に落ちた。

「おはよう」


松田君を見ずにデスクにカバンを乗せると、


「春日さん、スカート珍しいですね」


瞬間、カバンが倒れた。


「先輩?」

「……何でもない」


――心臓ヤバい!



顔が急激に赤くなるのに気付き、それに気づかれないよう急いで給湯室に向かう。

松田君はきっと、気にせず仕事の準備をするだろう。





足早に給湯室に入ると、ドッと力が抜けた。


………私、こんなんで松田君を誘えるの?



しゃがみ込み、未だドキドキする胸を押さえながら、今日の行動の復習をした。












仕事はスルスル進み、すでに定時の時間になった。……が、松田君は今日は残業らしくまだパソコンをいじっていた。


私も明日の分の仕事に手をつけながら、彼をどう誘うか考えていた。

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